衛生学

所属メンバー

教授
有川 量崇
准教授
後藤田 宏也
助教
鈴木 到,田口 千恵子
専修研究員鈴木 陽香

講座の特徴

 当講座は公衆衛生(Public Health)の向上を目的とし,歯科疾患の第一次予防〔発生予防〕(Primary Prevention)の重視を講座の基本方針としています。公衆衛生学とは,ウィンスロウ(C.E.A. Winslow; WHO)が「組織された地域社会の努力を通して,疾病を予防し,生命を延長し,身体的,精神的機能の増進をはかる科学であり技術である」と定義しています。すなわち,個人の健康だけではなく,世界や日本に住む全ての人々が健康に生活するにはどうすればよいのかを考えて実践する学問が公衆衛生学です。新型コロナウイルス感染症一つを例にとっても,自分一人だけでは健康は守ることは困難であり,人や環境とのつながりの中で,健康というものは決まるということが明確です。

 歯科医師を志す学生には,目の前の患者の治療のことだけを考えるのではなく,地域の人々の中で,人々とともに健康について考えて模索し,政策に結び付けられるような感性を,この学問を通じて学修してもらいたいと思います。

 教育面に関しては,当講座は2年次「衛生学・公衆衛生学」,「医療統計学」,3年次「口腔衛生学」,「口腔衛生学・衛生学実習」,そして4年次のCBT対策,5年次,6年次の国家試験対策を担当しています。衛生学関連の問題が国家試験に数十問出題されることもあり,学生にとっては否が応でも身につけなければならない分野です。学生が日頃から社会に目を向け,社会のストーリー性を感じながら学問に取り組めるような講義を提供します。国家試験合格は当然として,公衆衛生学を十分に理解し,学校歯科保健等,医療保健活動を実践できる歯科医師を多数輩出することを目指します。


研究内容

 口腔状態と全身の健康・QOLとの関連性を,歯科医師会や自治体と連携して,主に高齢者の疫学データを基に分析しています。

 医療経済の側面から口腔状態と医療費の関係を解析した結果,歯の健康を保つことが全身の医療費の低減効果に繋がることを明らかに致しました。また,100歳高齢者を対象とした訪問調査や,80歳からの20年間の追跡調査等の高齢者中心の疫学研究を実施し,咀嚼能力が余命に対して有意に影響することを報告しました。これらの疫学研究は,衛生学分野では最も基本となる研究であり,これからも歯科医師会や自治体に私共の研究の意義をご理解,ご協力を得ながら,地域の様々な疫学データを活用し,当講座の研究成果を国や自治体の健康政策に提言を行うなどの形で社会に還元していきたいと考えています。

 また口腔環境は栄養に直結します。コエンザイムQ10,水素水,乳酸菌,中鎖脂肪酸等の栄養学的側面からの臨床研究も行っています。特に高齢者に多い口腔乾燥(ドライマウス)患者に対する食材・栄養素によるアプローチは,食のサポーターである歯科医療従事者としては必要不可欠と考えています。

 その他にも,フッ化物関連の基礎研究・疫学研究,東日本大震災後の居住環境による歯と口の健康への影響に関する疫学分析,カンボジアでの歯周病と全身の酸化ストレスの関連性の疫学調査,最近では,口腔外・口腔内バキュームの飛散状況などの院内感染予防対策に関する研究も進めています。

  1. 口腔環境と医療費の関連性
  2. 歯科受診行動と医療費の関連性
  3. 口腔と全身の関連性・疫学データ分析(100歳健診を含む、主に高齢者)
  4. 嚥下機能障害・リスク者の疫学調査と発生予防
  5. 齲蝕/歯周疾患予防管理システムの構築
  6. 口腔環境/栄養摂取状態予防管理システムの構築
  7. フッ化物関連の基礎研究・疫学研究
  8. 抗酸化物質(CoQ10,水素水等)とドライマウス(口腔乾燥)の関連性
  9. 唾液分泌促進に有効な機能性食品の検討
  10. 発酵食品による口腔の自然免疫機能活性効果
  11. 時計遺伝子と口腔環境の関連性
  12. 唾液腺の老化における時計遺伝子の関与
  13. 時計遺伝子の発現異常が生活習慣病に及ぼす影響とその制御機構の解明
  14. 口腔内・口腔外バキューム等、歯科診療における飛散状況と予防システムの構築
  15. 短鎖脂肪酸によるActinomyces orisの初期付着・凝集促進メカニズムの解明

連絡先

TEL047-360-9356
FAX
047-360-9356
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