感染免疫学

所属メンバー

教授
泉福 英信
専任講師

桒原 紀子,齋藤 真規,瀧澤 智美

助教
小林 良喜

講座の特徴

 現在の日本では新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が増加し,ヨーロッパ,アメリカ,インド,ブラジルなどで感染者や死者が急増しています。これは,海外の旅行者や労働者の増加,航空機網の発達,国際的なイベントの増加などで,国を越えた交流が増え,人々の接触する機会が増えたことと関係しています。グローバル社会が到来する日本は,今後COVID-19などの感染症対策が中心となってきます。COVID-19の主な感染経路は接触・飛沫感染ですが,放出された飛沫や微粒子を眼,口腔や鼻腔から取り込んでヒトが感染すると考えられています。そのため,口腔の疾患を扱う歯科医療従事者にとって,ウイルス感染対策は重要な課題となっています。高齢化社会でもある日本は,要介護高齢者や長期入院患者が急増し,その結果,う蝕および歯周病も慢性的に発症し,誤嚥性肺炎を含め全身疾患発症へ関わることも明らかとなっています。口腔の健康を保つことは,全身の健康を保つことに関わります。こうした背景から,口腔健康を保つためには何をすればよいか?を常に考え,本講座では教育および研究を展開して行きます。本講座の特徴は,微生物および免疫学,それぞれの専門領域のスタッフが協力して精力的に講義や研究を実施するところにあります。

教育方針

 感染症は,感染微生物と宿主間の相互作用を理解しその予防と対策を習得することが重要です。そのためには,基本的な微生物学および免疫学両方の知識が必要となります。微生物学においては,基本的な病原微生物,病原因子や感染経路などを学び,免疫学では,免疫担当細胞と免疫組織,免疫システムそしてワクチンや予防法を理解します。また,歯科領域では,内因性感染症としてのう蝕や歯周病などの口腔疾患の発症メカニズム,特にバイオフィルム形成を中心とする病原性について学びます。また歯周病を誘因とする全身疾患についても学びます。微生物学・免疫学の講義を通して,全身との関わりを視野に入れた歯科医療の重要性を理解し,その知識を将来の臨床に役立てることを教育していきます。

研究内容

 口腔に形成されるバイオフィルムを中心にその形成メカニズムの解明や予防剤の開発研究を展開します。宿主の抵抗力と微生物感染との関係を免疫学的アプローチにて解明し,予防方法の開発を行っていきます。個々の研究テーマを以下に示します。


  1. 口腔バイオフィルム形成メカニズムの解明とその予防剤の開発
  2. 歯科医療に使用される消毒剤のSARS-Cov2への効果
  3. インフラマソームや酸化ストレスを介した歯周病発症メカニズムの解明
  4. 口腔細菌が誘引となる全身疾患(動脈硬化,認知症など)発症機序の解明
  5. 粘膜免疫を応用した口腔感染症予防のためのワクチン開発
  6. プロバイオティクスを利用した口腔感染症および全身疾患予防
  7. オゾンナノバブル水灌流マウスガードを用いたう蝕および歯周病予防効果の検討
  8. 歯周病原性細菌の発現遺伝子を基にした病態診断用マーカーの検索
  9. IgA抗体応答における腸管関連リンパ組織の役割

連絡先

TEL047-360-9336
FAX047-360-9336
E-Mailsenpuku.hidenobu@nihon-u.ac.jp
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