感染免疫学

所属メンバー

教授
泉福 英信
専任講師

齋藤 真規,瀧澤 智美

講座の特徴

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)も少しずつ沈静化し,新たな時代に突入しています。一方,梅毒,インフルエンザ,RSウイルス感染症などCOVID-19以外の感染症が増加しつつある現実があります。これは,昨年の5月8日以降行動制御もなくなり,海外の旅行者や労働者の増加,国内外イベントの増加などで国を越えた交流が増え,人々の接触する機会が増えたことと関係しています。グローバル社会が到来する日本は,今後COVID-19含め様々な感染症対策を講じる必要があります。
 齲蝕や歯周病などの口腔の疾患は,口腔微生物によるバイオフィルム形成により発症すると考えられています。高齢化社会である日本は,要介護高齢者や長期入院患者が急増し,その結果,う蝕および歯周病も慢性的に発症し,口腔バイオフィルムが誤嚥性肺炎を含め全身疾患発症へ関わることも明らかとなっています。口腔の健康を保つことは,全身の健康を保つことに関わります。こうした背景から,口腔健康を保つためには何をすればよいか?を常に考え,本講座では教育および研究を展開しています。本講座の特徴は,微生物および免疫学,それぞれの専門領域のスタッフが協力して精力的に講義や研究を実施するところにあります。

教育方針

 感染症は,感染微生物と宿主間の相互作用を理解しその予防と対策を習得することが重要です。そのためには,基本的な微生物学および免疫学両方の知識が必要となります。微生物学においては基本的な病原微生物,病原因子や感染経路などを学び,免疫学では免疫担当細胞,免疫組織及び免疫システムそしてワクチンや予防法を学びます。また,歯科領域では,歯周病を誘因とする全身疾患,内因性感染症としてのう蝕や歯周病などの口腔疾患の発症メカニズム,特に口腔バイオフィルム形成を中心とする病原性について学びます。微生物学・免疫学の講義を通して,口腔と全身との関わりを視野に入れた歯科医療の重要性を理解し,その知識を将来の臨床に役立てていただきたいと思います。

研究内容

 口腔に形成されるバイオフィルムを中心にその形成メカニズムの解明や予防剤の開発研究を展開します。宿主の抵抗力と微生物感染との関係を免疫学的アプローチにて解明し,予防方法の開発を行っていきます。個々の研究テーマを以下に示します。

  1.  口腔バイオフィルム形成メカニズムの解明とその予防剤の開発

  2.  歯科医療に使用される口腔保湿剤の口腔微生物への効果

  3.  膜小胞を介したう蝕および歯周病発症メカニズムの解明その予防

  4.  口腔細菌が誘引となる全身疾患(動脈硬化,認知症など)発症機序の解明

  5.  卵殻由来水酸カルシウムを利用した口腔感染症予防のためのワクチン開発

  6.  口腔におけるウイルス感染予防に関わる研究

  7.  歯科治療における飛沫の発生および抑制に関する研究

  8.  銀イオン溶液を用いたう蝕および歯周病予防効果の検討

  9.  IgA抗体応答における腸管関連リンパ組織の役割

 10. 歯科医療における院内感染対策の普及事業


連絡先

TEL047-360-9336
FAX047-360-9336
E-Mailsenpuku.hidenobu@nihon-u.ac.jp
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