生理学

所属メンバー

教授
吉垣 純子
准教授
加藤 治
専任講師

横山 愛

講座の特徴

 生理学は,生命現象のメカニズムを考える学問です。人体を構成する細胞,組織,器官の働きを理解し,1つのまとまった働きをする器官系の概念に統合することによって,複雑な生命現象を明らかにしていきます。臨床の場面では様々な病態に出会いますが,なぜ病気が起こるのか理解し,どうやって治療するのか判断するためには,まず正常な人体の調節機構を知らなければなりません。臨床歯科医学を学ぶための基盤と考えて下さい。
 機能は構造と異なり視覚的にとらえにくいことが,生理学を難しい学問と感じさせるかもしれません。神経活動やホルモンの働きを代表とする目に見えない現象を,可視化し定量的に測定するために,新しい機器や試験法を開発することで生理学は発展してきました。そのため,化学的・物理的な知識も生理学の理解のためには必要になってきます。生理学講座では生理学の歴史に習い,「機能を目で見る」を目標として,講義と実習を組み合わせて,生命現象をなるべく実感しやすい形で学べるように心がけています。
 研究においては,伝統的な生理学的手法にとらわれず,生化学・分子生物学手法,形態観察やシミュレーションを組み合わせて,多角的な視野から生命現象を捉えることを目指しています。

研究内容

当講座では,唾液腺機能について研究しています。唾液は口腔内環境を維持する上で極めて大切な体液です。唾液の分泌機能が低下すると口腔乾燥症が発症し,唾液タンパク質も減少するため,様々な口腔機能に障害が生じます。潤滑成分であるムチンが減少すると咀嚼や嚥下が困難になり,唾液中の抗菌物質の減少は齲蝕や歯周疾患,口腔粘膜の感染症の原因となります。その結果,口腔内だけの問題に留まらず,全身の疾患にもつながります。国内には多くの口腔乾燥症に苦しむ方々がいますが,なぜ唾液分泌能が低下するのか不明な点が多く残されています。我々は,唾液腺の機能低下プロセスを明らかにすることによって,分泌低下を予防し,失われた機能を回復する方法を検索しています。我々の研究成果と発見が健全な口腔内環境の保持と疾患の予防に役立つことが目標です。

主な研究テーマ

    1. 組織傷害がトリガーする唾液腺細胞の脱分化過程の解析
    2. 唾液腺組織傷害に応答して発現する代償性唾液分泌能亢進因子の探索
    3. 唾液タンパク質の細胞内輸送・開口放出機構の解明
    4. 唾液成分が味覚に与える影響の解析


    連絡先

    TEL047-360-9326
    FAX047-360-9327
    E-Mail
    physiol.md.ml@nihon-u.ac.jp
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