教養学(生物学)
所属メンバー
准教授 | 楠瀬 隆生 |
講座の特徴
生物学は,地球上に存在する多種多様な生物とそれらが示す生命現象の解明を試みる学問です。そのため,ヒトと微生物を対象とした歯科医学も,広い意味では生物学に含まれています。さまざまな生命現象に興味を持ち,生物学の基本的な知識や思考方法を修得することは,歯科医師に必要な広く客観的な視点を持つ一助となることが期待できます。生物学講座では主に,準備教育科目「生命科学(生物学)」と教養科目「生命の文化誌」を担当しています。これらの科目では講義実習を通して,生物を構成する細胞の構造や機能,その細胞から生物個体が形成されるまでの過程,さらには動物個体の基本的な構造とそれを維持するためのしくみ,と2年次からの基礎科目の理解に必要な基本的な知識を,順を追って学んでいきます。また,歯科医師としての幅広い教養を身につけることを目的に,骨や歯の多様性や進化を題材にした講義実習も行っており,これも長年にわたり当講座が進めてきた教育上の特徴の一つです。これらを学ぶ上で総合大学としての特徴を生かし,本学部のみならず生物資源科学部での講義実習も行っています。
研究内容
当講座では現在,代々行ってきたヒトを含む哺乳類の歯の組織学的な研究を基盤に,光を利用した生物物理学的な研究を進めています。これまで,さまざまな科学分野で光と物質との相互作用を利用して物質の分析や加工などが行われてきました。歯科をはじめとする医療分野でも,レーザー生体相互作用の治療や診断への応用が進められています。当講座では,レーザーアブレーション法と組織染色法とを併用することで,生命科学分野での新たなレーザー光利用の可能性を探索しています。また,本学部キャンパスに生息する準絶滅危惧クモ類の調査も実施しています。各生物種が長い進化の過程で獲得してきた遺伝情報は,人類にとって潜在的な有用性を持つ大切な資源と考えられています。そのため,生物多様性保全では種と共にその種が持つ遺伝資源の保護も重要なテーマとなっています。本講座ではキャンパス内の準絶滅危惧種,その遺伝資源の保全に向け,基本的な生態情報の収集も行っています。
連絡先
TEL:047-360-9314