歯科総合診療学
所属メンバー
教授 | 内田 貴之 |
准教授 | 青木 伸一郎 |
専任講師 | 遠藤 弘康,岡本 康裕 |
助教 | 梶本 真澄 |
専修医 | 前田 紀香 |
講座の特徴
歯科総合診療学とは
歯科医学の専門分化に対して口腔疾患を総合的に診るとともに,患者の全身機能との関連,生活習慣,社会環境などの背景にも配慮し,歯科のcommon diseaseを対象に診断・治療と継続的なcareを包括的に捉える学問である。
歯科総合診療学の理念とは
総合診療科初診[診療]
- 疾病・臓器・処置にとらわれた枠組みによる患者選択はしない。
- Super Generalistとしての診療能力を高める。
- 器質的な問題だけでなく,精神心理社会的側面にも配慮する。
- 患者中心の歯科医療の実践を目指す。
歯科総合診療学[教育]
- より高度な「患者対応学」を教育の要とする。
- 情報収集能力と総合的決断力を重視する。
- 基本的な臨床能力の獲得を目指す。
- 「医療行動科学」をベースとして、1~6年次へと段階的にリフレクションしながら医療人を育成する。
研究内容
- 診断力の認知科学的解明を目指す。
- 患者コミュニケーションの行動科学的解明を目指す。
- 歯科疾患を対象とした数理科学的な診断を目指す。
患者に付随している異常な状態を病態生理学的立場のみならず,心理社会的要因を含む広い立場から,測定可能な診断情報を収集し,意思決定(診断)する思考プロセスについて,科学的な根拠に基づいて明らかにすることを研究目標としている。
近年は,歯科医師の臨床判断分析を通して,臨床行為の科学的な選択と評価法を確立しようとすることを目的として,口腔診査の精度向上のための検出能解析,歯科医師の情報収集における視覚行動分析,診断思考過程プロセスに対する認知心理生理学的アプローチによる脳波解析を行っている。研究代表例は,以下の通りである。
- 歯種鑑別におけるパターン認知に関する脳波解析
- 加齢における咀嚼能と脳の認知機能の関連性
- 近赤外分光法(Near-infrared Spectroscopy)を用いた口臭症患者の心理特性の診断
- パノラマX線写真読影時における歯科医師の意思決定と注視点解析
- 歯科医療面接における傾聴技能に関する研究
- テキストマイニング法による医療倫理教育の評価
- 認知バイアスが歯痛診断に及ぼす影響の評価
- 顎関節症患者における心理社会的要因と疼痛程度の関連性