疫学調査研究

疫学調査研究組織は,平成11年4月,口腔科学研究所に,地域歯科保健の充実・発展を責務の一つとしている当学部として取組むべき疫学研究の必要度がより高くなってくることから設置されました。今までに当研究組織では,平成11年度に「日本大学松戸歯学部付属病院における患者様満足度調査(結果1)」,平成13年度には「日本大学松戸歯学部付属病院におけるリスクマネジメント予備的調査(結果2)」を行い,当学部の運営に対し有益なデータを収集・分析し,施策を提言してまいりました。今後も,当学部,当病院,患者様,そして地域住民のために,疫学調査を行い,科学的データに基づいた方策を提言する考えであります。

結果1.日本大学松戸歯学部付属病院における患者様満足度調査結果

本調査は,日本大学松戸歯学部付属病院において「患者様満足度調査」を実施し,患者様の歯科医療サービスへの要求(ディマンド)の特性,また歯科医療サービスに対する患者様満足の構造の特徴等を把握することを目的とした。分析方法は,初診患者様のデータから得られた事前期待度と再診患者様から得られた実績評価との相対関係から患者様満足構造を分析する方法を用いた。その結果,患者様の事前期待度は,歯科医師に関する項目が高く,歯科医療に対する要求(ディマンド)は,病院の環境と設備や待ち時間等より歯科医師の技術や説明の有無等,歯科医師への信頼感に関するものが大きいことが示唆された。また,事前期待度が高いにもかかわらず実績評価が低い歯科医療サービスは「治療環境の清潔さ」「薬局の応対」であった。これらの歯科医療サービスが最優先改善項目であることが示された。本調査は,日本大学松戸歯学部付属病院において「患者様満足度調査」を実施し,患者様の歯科医療サービスへの要求(ディマンド)の特性,また歯科医療サービスに対する患者様満足の構造の特徴等を把握することを目的とした。分析方法は,初診患者様のデータから得られた事前期待度と再診患者様から得られた実績評価との相対関係から患者様満足構造を分析する方法を用いた。その結果,患者様の事前期待度は,歯科医師に関する項目が高く,歯科医療に対する要求(ディマンド)は,病院の環境と設備や待ち時間等より歯科医師の技術や説明の有無等,歯科医師への信頼感に関するものが大きいことが示唆された。また,事前期待度が高いにもかかわらず実績評価が低い歯科医療サービスは「治療環境の清潔さ」「薬局の応対」であった。これらの歯科医療サービスが最優先改善項目であることが示された。


結果2.日本大学松戸歯学部付属病院におけるリスクマネジメント予備的調査

本調査は,日本大学松戸歯学部付属病院において,歯科医療管理におけるリスクと,歯科医療従事者のリスクマネジメントへの意識を把握することを目的とし,予備的に調査した。エラーのあった患者様の年齢は,20歳~40歳が多く,女性が若干多かった。患者様の主たる疾患名は,歯周疾患,う蝕が多く,エラーの種類は処置と治療のエラーが最も多かった。エラーの原因に関しては,不可抗力の5.7%以外は,全て改善できる可能性のある項目であった。改善可能な原因を,医療人の技術の面に関するものと,システムに関するものの2種類に分類したところ,医療人の技術が原因によってエラーに発展したものが全体の4割を占めており,一方システムが原因によってエラーに発展したものは5割弱であった。エラー時における患者様への説明の実施率は7割であり,3割強は説明していなかった。エラーに関する上司・組織等への報告の状況は,報告していない方が3割強で,報告しなかった理由の半分以上が報告する必要性を感じなかったと答えている。エラーを報告することに抵抗を感じている方が4割弱おり,その理由は,責任問題になるのが怖い,うるさく言われるの嫌だという項目が多くあげられた。今回の予備調査をもとに,リスクマネジメントのあり方を検討し,マニュアルを作成する予定である。


今後の疫学調査の予定

A.歯科医療受診者を対象とした調査

[対象者の分類]
  1. 地理的分類(松戸市民,千葉県および首都圏の住民)
  2. 生活の場による分類(職場,家庭)
  3. 健康レベルによる分類(患者様,健常人)
[調査項目]
  1. 歯科疾患の実態
  2. 健康と口腔衛生に関する知識・意識・習慣
  3. 歯科受診行動
  4. 歯科受診アクセスの条件
  5. 歯科受診の満足度,また要望

B.歯科医療提供者を対象とした調査

[対象者の分類]
  1. 一次医療
  2. 二次,三次医療
[調査項目]
  1. 歯科医療機関の地理的分布
  2. 労働力(歯科医師,歯科衛生士,歯科技工士,その他医療従事者)

他にもアイデアをお持ちの方は是非参加してください。




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