研究装置

ハイブリッド有機薄膜形成装置(VEO-1000)

稼働状況  月 日
製造会社・型 日本真空技術株式会社/ULVAC, Inc.・VEO-1000
設置場所 口腔科学研究所先端歯科生体材料・技法開発研究室
利用代表者 早川 徹
特 色  生体材料の表面改質法として薄膜形成法が現在注目を集めており,物理的気相蒸着(PVD)法や化学的気相蒸着(C VD)法などが検討されている。PVD法,CVD法は通常,別々の装置で行われるが,本装置はPVD法ユニットとCVD法ユニットとを同時に有しており,一台で2種類の薄膜形成方法が可能なユニークな装置である。
 PVD法としてはマグネトロンスパッタリング法が採用されている。この方法では高分子,金属,セラミックスなどのあらゆる基材に薄膜を形成することができる。アパタイトなどのリン酸カルシウム薄膜,またはチタンなどの金属薄膜の形成に威力を発揮する。マグネトロンスパッタリングによって形成された薄膜は組成が均一であり,基材との密着性に優れているなどの特徴を有している。
 プラズマ重合によるCVD法でも,あらゆる種類の基材に薄膜を形成できる。ラジカルソースとして,メタクリルモノマー,有機アミン化合物,シロキサン化合物を用いたラジカル重合薄膜の形成が可能である。プラズマ重合法による薄膜の利点は,マグネトロンスパッタリング法同様に,形成された薄膜が緻密で基材との密着性に優れていることが挙げられる。歯科材料分野へのプラズマ重合法の応用はほとんど報告されておらず,未知の領域である。
 以上,本装置を用いたマグネトロンスパッタリング法およびプラズマ重合法によって,新たな機能性表面を有する生体材料の開発が期待できる。
利用方法  

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