口と顎の不随意運動に対する治療

神経歯科外来のご案内

 「神経歯科外来」は、口とあごの不随意運動症を対象とした、歯科口腔機能の専門医員と脳神経外科の専門医員とが連携して治療を行う専門外来です。
 実際に、「神経歯科外来」とはどのような診療を行うところか、症例をあげてご説明いたします。

義歯による治療
症例1
義歯による治療:症例1
左(L)右(R)の頬にある、咬筋(Mm)というあごを閉じる筋肉、こめかみにある側頭筋(Tm)というあごを閉じる筋肉、顎二腹筋(AD)というあごを開ける筋肉の筋活動を示します。
 本症例は、口舌ジストニアの症例です。あご、口、舌が激しく動き、入れ歯も合わないようになり、義歯(入れ歯)が口に入っていないときには、口はもぐもぐと動き、舌が飛び出します。顎や舌が勝手に動いてしまい、義歯(入れ歯)の型どりなどができず、通常の歯科治療が困難で小さな義歯(入れ歯)を使用しておりました。不適合な義歯(入れ歯)の装着が、特発性口腔顔面ジスキネジアの危険因子であるといわれています。
症例2
義歯による治療:症例2
左(L)右(R)の頬にある、咬筋(Mm)というあごを閉じる筋肉、こめかみにある側頭筋(Tm)というあごを閉じる筋肉、顎二腹筋(AD)というあごを開ける筋肉の筋活動を示します。
 本症例は、口下顎(あご)ジストニアの症例です。あご、口が勝手にもぐもぐと動いてしまう症例で、義歯(入れ歯)が口に入っていないときには、口はもぐもぐと動き、あごも勝手に動いてしまいます。筋電図では顎(あご)の筋肉の活発な活動が認められます。本症例では義歯を入れることにより、口とあごの動きが止まります(義歯(入れ歯)によるセンソリートリック※)。神経歯科外来では義歯治療の重要性を認識し、脳神経外科との連携のもと、適正な義歯治療を行います。

※センソリートリック:特定の感覚刺激によってジストニアが軽快する動作をさします。力ずくで動きを止めるのではなく、手を当てる動作だけで動きが止まるものや、口の中に飴やガムを入れるだけであごの動きが止まるなどのことをセンソリートリックといいます。


マウスピースによるリハビリテーション例
マウスピースによるリハビリテーション例:治療前
本症例は、開口ジストニア症例です。会話時に舌が飛び出る、口が開いて閉じることができなくなってしまった症例で、紹介にて来院いたしました。
会話をすると口が開けっ放しになり、手を使わないと口が閉じなくなってしまい、会話をするときは、いつもあごに手を添えておりました。
マウスピースによるリハビリテーション例:治療中
上あごと下あごの型取りをして、お口の中の状態を咬み合わせの機械につけて再現し、マウスピースを製作しました。そして、マウスピースを口の中に装着したところです。
マウスピースによるリハビリテーション例:治療後
マウスピースを使用して4週間後には、口が閉じやすくなりました。
脳神経外科からの処方による服薬症例
服薬症例
 本症例は、オーラルジスキネジア(口下顎(あご)ジストニア)で、術前には食べはじめに、すぐ咬みしめ状態になり、食事が困難な状態でした。食事は一口大に小さくして食べ、水分もストローを使用しなければ飲めない状態で、紹介にて来院いたしました。咀嚼時の筋電図ならびにあごの運動検査では咀嚼時にあごを閉じる筋肉に異常な筋緊張を示す筋活動を認めました。
 脳神経外科では、筋肉のこわばりなどを改善する「アーテン」が処方されました。服薬後咀嚼時の筋電図ならびにあごの運動検査には処置前の異常な筋活動は明らかに消失し、咀嚼が可能になりました。


連絡先

日本大学松戸歯学部付属病院 神経歯科外来 外来責任者 診療教授 成田 紀之 (047-360-9583)

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